低カルシウム血症

腎臓と腎不全

キッド
末期腎不全(ESRD)では尿でリンの排出が出来ないから「高リン血症」の状態になっているんだ。

リーナ
透析してたら大丈夫でしょ?

キッド
週3回の透析ではすべて取り除けないんだ。

リーナ
そっか、2日に1回4時間透析だとしたら、44時間不純物が体に溜まったままってことだもんね。

キッド
そう。
そして「高リン血症」は必要以上にカルシウム(Ca)と結合しリン酸カルシウムとなって骨以外にも沈着して石灰化(異所性石灰化)をおこすんだ。

リーナ
不純物が溜まったままだと色んなところにくっつくんだね。

キッド
カルシウムが使われ過ぎて、結果血液中のカルシウム濃度の低下を引き起こすんだよ。

 

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低カルシウム血症

 

キッド
それにビタミンDの活性化が出来ないから腸管でのカルシウム(Ca)の吸収が低下してるんだったよね。

リーナ
うん。腎臓のホルモン副甲状腺の話しで出てきたね。

キッド
すごい覚えてるね。

リーナ
こないだ話したばっかりだから。
何だと思ってるの・・・?

キッド
い、いや、す、すごいなぁって・・・
そ、そうやって血液中のカルシウム濃度が低下するんだよ。

リーナ
カルシウムが減ったら骨から血液中に出てくるんじゃないの?

キッド
良いところに気づいたね。
だけど骨の貯蓄量は限られてて骨の密度が少なくなる骨粗鬆症にもなってカルシウムはやっぱり足りなくなるんだ。

リーナ
ちゃんと食べないといけないね。

キッド
そうなんだ。
だけどリンやカリウムといった取り過ぎてはいけないものもあるから食事選びが難しい場合もあるよね。

リーナ
食べ物の好みは変えにくいよね。

キッド
こうやって血液中のカルシウム(Ca)濃度が低下した状態を低カルシウム血症というんだよ。

リーナ
末期腎不全の人はずっと低カルシウムの状態になりやすいんだね。

キッド
そうなんだよ。
ただ検査結果である血中(血清)カルシウム値は注意が必要なんだ。

リーナ
注意?

キッド
体中のカルシウムの約99%は骨に蓄えられるんだけど残りは細胞や血液中に存在していて、血中のカルシウムはイオン化カルシウム(Ca2+)アルブミン結合カルシウムにわかれているんだ。

リーナ
へー

キッド
次のような関係になるんだ。

 


血中(血清)カルシウム = イオン化カルシウム(Ca2+)  + アルブミン結合カルシウム

 

キッド
そのなかでイオン化カルシウムが重要な役割を果たすんだ。

リーナ
どんな役割をしているの?

キッド
イオン化カルシウム(Ca2+)は骨や歯の形成はもちろん、筋肉の収縮血液凝固作用(第Ⅳ因子)心臓や神経の電気信号(刺激伝導系)に関与しているんだ。

リーナ
えー、骨だけじゃないんだね。

キッド
だから低カルシウム血症になると手足のしびれやふるえのテタニー症状がでたり神経障害による感覚異常心臓収縮減弱や徐脈などを引き起こすんだ。

リーナ
大変じゃない!
骨が折れやすくなるだけかと思ってたよ。

キッド
骨も脆くなるんだよ。
骨はカルシウムの貯蔵庫だからね。カルシウムを貯金してると思ったらわかりやすいかもね。

リーナ
それじゃあ早速カルシウムを蓄えてくるね~。

キッド
一気に摂取して排出されるだけだよー。適量を継続してって・・・
もういないか・・・

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