シャント

腎臓と腎不全

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キッド
日本ではほとんどの末期腎不全(ESRD)の患者さんは血液透析の治療を選択してるって話したよね。

リーナ
あれだよね、生クリームとか塗るような。

キッド
ん?う~ん・・・

リーナ
スパチュラだ。

キッド
スパチュラとバスキュラー?
わかりにくいよ・・・

キッド
まぁバスキュラーアクセスが必要になるんだったね。

リーナ
それそれ。

キッド
・・・

キッド
血液を取り出したり戻したりする経路を簡単にすることだったね。
今回はシャントについて説明していくよ。

リーナ
もう一つは非シャントだったね。

 

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シャント(shunt)

 

キッド
シャントとは動脈の血流を利用するために動脈を途中から静脈への血流経路を作成することなんだ。

リーナ
近道ってこと?
どうやって作るの?

キッド
そう。シャントは短絡という意味なんだけど簡単に言うと近道のことなんだよ。
動脈は心臓から指先に向かう血管ですごく勢いが良いんだ。だんだん細く分かれて隅々まで通ってるんだよ。

キッド
逆に静脈は細くたくさんに分かれた動脈が役目を終えて段々太く集まって心臓に帰って来るんだ。
だから血流は動脈ほどはないんだよ。

リーナ
動脈が細くなる前に帰ってくる静脈への道をつくるってことなのかなぁ?

キッド
そのとおり。
それは手術をして作るんだよ。

リーナ
手術かぁ。大変そうだな~。
どんな手術になるの?

キッド
血管をつなぎ合わせる手術になるんだよ。
髪の毛より細い糸を使って血管を縫い合わせるんだ。

リーナ
髪の毛より細いの?すご~い。

キッド
この経路は直接自分の動脈と静脈をつなぎ合わせる自己血管内シャント(Arteriovenous Fistula:AVF)
人工血管を使用する人工血管内シャント(Arteriovenous Graft:AVG)にわかれるんだ。

リーナ
人工血管ってのがあるんだね。

キッド
自己血管内シャント(AVF)の手術をすると動脈の血液が流れた静脈が太くなるんだ。
この静脈が太くなることを血管が発達するというんだ。

リーナ
そしたら血管がわかりやすくなるね。

キッド
そうなんだ。
これで静脈は動脈の血流を有するようにもなってその部分に穿刺してダイアライザーへ血液を送るから針も刺しやすくなって良いんだよ。

リーナ
は、針を刺すんだね。
だけどどこでも刺されるのは嫌だなあ。

キッド
多くは腕に行うことが多いんだけど、発達する血管は長い方が穿刺する場所が増えるから手首の近くにシャントを作ることが多いんだ。

リーナ
腕なら採血とかと同じかぁ。

キッド
だけど血管が細い人なんかは手首あたりにシャントを作れずに体に近くの方が血流が多いから二の腕辺りの血管を使わないといけなくなるんだ。

リーナ
むっちゃ痛いじゃーん。

キッド
肘より体に近いと発達する血管も少ないし痛みが強かったりしてAVFのシャントを作っても穿刺できなかったりするんだ

リーナ
じゃあどうするのよ?

キッド
そこでようやく人工血管の出番なんだ。

リーナ
どうするの?

キッド
二の腕辺りの動脈を穿刺できる人工血管につなげてグルッとループさせて静脈とつなぐんだ。

リーナ
体に近いか遠いかで変わるんだね。

キッド
簡単にいうとそうなるかな。
だけど指先に行くはずの血流の一部がシャントの方へ持っていかれるから心臓はもっと血液を送り出さないといけなくなって負担がかかり心機能が悪い人はシャント作成できない場合があるんだ。

リーナ
そうなると非シャントっていうのをするの?

キッド
理解が早くなったね。
すべてがそうではないけどね。

リーナ
しゃんとしてたでしょ。

キッド
わかりにくかったかもしれないけど、シャントという言葉は主にAVFで自分の血管同士をつなぎ合わせたところを指すことが多いんだ。

リーナ
キッドはしゃんとしてなかったんだね。

キッド
・・・
それはもうしわけない。


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