自己血管内シャント(AVF)手術 part1

キッド

血液透析で必要なのは何だったか覚えてるかな？

リーナ

たしか・・・

キッド

うんうん。

リーナ

か、覚悟・・・？

キッド

ま、まぁそうかもしれないけど・・・

リーナ

・・・血液？

キッド

いやそんな根本的なものじゃなくて、ほら、バス・・・

リーナ

いや、通院は徒歩圏内の方がいいかな・・・

キッド

そんなことは聞いてなーい！
バスキュラーアクセスだろー！！

キッド

ま、まぁ今回はバスキュラーアクセスの中の自己血管内シャント(AVF)の手術について話していくね。

自己血管内シャント(Arteriovenous Fistula:AVF)手術

キッド

まずAVFの手術だけなら基本的に局所麻酔で行われることがおおいんだ。

リーナ

全身麻酔をすることもあるの？

キッド

血管を直接触る手術になるからじっとしてられなかったりするとね。

リーナ

いきなり動いたりすると血管傷ついたりしてピューピュー血が出ちゃうもんね。

キッド

そうなんだよ。
あんまり大きい声では言えないけど全身状態が良ければ麻酔の希望をきいてくれるところもあるみたいだね。

リーナ

そんなのダメでしょー。
体に無駄に負担がかかるし税金だー。

キッド

そこは今の日本の医療制度の問題だけどね。

キッド

まず血管を選択するところが大事なんだけど重いものを持たない方が良いために利き手と逆の手を選択する事が多いよ。

リーナ

キッドは利き手が右だから左手を選ぶんだね。

キッド

なんで自分を例に出さないんだ・・・？

キッド

う、うん。
そして腎不全の人は血管がボロボロになりやすいんだったよね。

リーナ

メイラード反応でねー。

キッド

よく覚えてるねー。
手首あたりで橈骨動脈と橈側皮静脈をつなぎ合わせるのが第一選択だけど良い血管を選ぶことが長く使用できるシャントを作ることが出来るんだ。

リーナ

ボロボロになった血管で作っても長持ちしないんだね。

キッド

だけど肘よりもつけ根に近くなると穿刺できるところも少なくなるし血管が深くなって難しいんだ。

リーナ

針を刺すところを考えないといけないんだね。

キッド

そうなんだ手術で血管をつなぎ合わせたところから体に向かって静脈が太くなっていくからね。

リーナ

たしか血管が発達するっていうんだったよね。

キッド

よく覚えてたね。
血管が発達するには充分な心拍出量と弾性に富んだ血管が必要なんだ。

リーナ

そうやって150～300ml/分を確保できる血流がある静脈が出来るんだね。

キッド

そうなんだよ。
だけど手術した直後から穿刺をして透析が出来るかというとそうではないんだ。

リーナ

そうなの？

キッド

傷がくっつくのに時間がかかるようにつなぎ合わせた血管もくっつくのに同じくらい時間がかかるんだ。

リーナ

縫っただけじゃダメなんだね。

キッド

縫った隙間から血が出てくる恐れがあるんだよ。血液を出し入れする時に凝固しない薬を混ぜてるからね。

リーナ

どのくらいかかるの？

キッド

皮膚を縫う糸の抜糸は10日から14日くらいなんだけど血管も同じくらいだと考えられているんだ。
だから穿刺が出来るようになるのは傷を見ながらだけど術後約2週間くらいで穿刺ができるようになるんだ。

リーナ

それまで入院しないといけないの？

キッド

色んな場合によって変わるから次に話すことにするよ。

リーナ

は～い、わかった～。